心に残った11冊（その2）

2018年2月10日

レポーター：H29:森田　千琴

こんにちは！
学生レポーターの森田です。

先日、卒業論文の口頭試問を終え、大学生活に必要な全ての課題を達成しました～！!(^^)!

さてさて、前回のレポーター通信に引き続き、
私がこれまで読んだ本の中でも特に心に残った１１冊の本について書いていきます！

それでは第２回、スタートです☆

*.゜｡:+*.゜｡:+*.゜｡:+*.゜｡:+*.゜｡:+

⑥三浦綾子『氷点』
…中学３年生の時、夏休みの読書感想文のために読んだ本です。
…妻・夏枝が逢引きしている間に娘を殺されてしまった男・辻口が、妻への復讐心と「汝の敵を愛せよ」という聖書の言葉を元に、
極秘で殺人犯の娘・陽子を養子に迎えるところから物語は始まります。
…辻口は「汝の敵を愛せよ」を信条に生きているのですが、この言葉を現実に実行することがいかに難しいか、
また、そんな人間としての自分の醜さなどが克明に描かれていて、
苦しいほど胸に迫ってくる名作中の名作です。
…私は読後、放心状態になってしまうほどの衝撃を受けました。（笑）

⑦銀色夏生『君はおりこう　みんな知らないけど』
…数ある銀色夏生・写真詩集の内の一冊。
…中学生から高校生にかけては、毎日銀色さんの気に入った詩集をカバンに入れて、お守りみたいに読んでいました。
…日常のさりげない瞬間を切り取った写真に、ドキッとしてしまうような言葉の数々。
…生活のそれぞれの場面で思い出し、思わず呟いてしまいたくなるような、
美しい言葉がたくさん詰まっています。

⑧A・V・カーム/B・v・クロウネンバーグ/S・A・ムトウ共著/巽豊彦訳『自己に関する２８章』
…人間学の専門家による「自己」についての議論を断章風にまとめた一冊。
…内容は「自己」「自己と他者」「自己と社会」「自己と現実」の４章から構成されています。
…どんな時も平静さを失わずに生きるには、まず「自己」についての正しい認識を持たなければならない、、
…焦ったり不安になったりした時こそ、客観的に自分を見つめることが大切になってくるのかもしれません。

⑨鶴見俊輔/森毅/池内紀/安野光雅/井上ひさし編『ちくま哲学の森別巻　定義集』
…高校３年生の時に古書店で見つけて買ったもので、古今東西の名著の断片を集めた辞書のような本です。
…五十音順に「過ち」「映画」「習慣」「都市」「夫婦」などなど、様々なテーマに沿った言葉が書かれています。
…登場する人もソクラテスから中島みゆきまで、本当に幅広いです。
…パラパラとめくって気になった箇所を読むでもよし、
「友情」の項目を読みながら友を想ってみるでもよし…（？）
色んな読み方ができるのが面白いところです！

⑩福永武彦『愛の試み』
…愛と孤独に関する筆者の思索をまとめた、１６０頁ほどの短いエッセイ集です。
…挿話として９編の掌編小説も収録されています。
…詩人でもあった福永先生の言葉は示唆に富んでいて、何度も線を引きながら読んでしまいます。
…一番好きな作家さんで、事あるごとに読み耽っては感傷に浸ってしまう、美しい音楽のような言葉を紡ぐ人です。

⑪アン＝ロール・ボンドゥ/伏見操訳『殺人者の涙』
…南米チリの荒野にひっそりと暮らす一軒家に、「天使」という名の殺人者がやって来るところが物語の始まり。
…彼はそこに住んでいた夫婦を殺害するのですが、その子供であるパオロだけは殺すことができず、二人は奇妙な共同生活を送ることになります。
…やがて二人の間には穏やかな信頼と愛情が生まれていくのですが、
殺人者の犯した罪は消えることがなく、温かな日々もいつしか終わりを迎えます。
…児童文学ではあるのですが、一本の映画を観たような読み応えのある物語です。

*.゜｡:+*.゜｡:+*.゜｡:+*.゜｡:+*.゜｡:+

ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます！

読書は、知識を増やしてくれるのはもちろんのこと、想像力を鍛える力もあると言われています。

想像力によって人の気持ちを理解することができて、
その人を気遣ったり優しくしたりすることができるようになるのであれば、
これからもずっと、たくさんの本を読み続けていきたいですね。

以上、心に残った１１冊でした！

H29:森田　千琴のレポート